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【調査士ねっとわーく】「夢」

 自宅の仕事部屋で 今個人の顧客から依頼を受けた測量現場の資料を見ている。
ついさっき 依頼主の女性から電話があり その依頼された業務で 役所に手続きし 進めなくてはいけない「道路査定」という手続きが遅滞している事を指摘され 正直焦っている。

 遅滞している理由は なんの事はない 自分の業務管理能力の不足である 他の仕事 急ぐ仕事に注意をそがれ 催促のない仕事はついつい置いてしまって進めないという 例のあの職業病である。

 依頼内容は 海岸沿いの丘陵地に 海に向かって妙に細長い形態で配置された神社の建て替えの準備の為の測量である。
実はこの物件は数年前 別な依頼者からも測量を依頼され 詳細な測量データは自分が所持しているのである。

そこで自分は数年前の測量データをそのまま 利用しようと目論んでいる 観たところ数年前とそう変化していないように見えるし 顧客には 云わなければ 手を抜いた事など判ろうはずもない。
ただ今回と前回の測量の違いは敷地の境界線を確定するか否か という事であり その部分で催促の電話を頂戴した訳である。

 「夢」の中の自分の住む家は 隣接地との敷居のない 広い敷地の中の一件家であり 女房と暮らしているのであるが 一応「持家」である 小学生時代に住んだあの一軒家に似ていなくもない 敷居のないという特徴は 結婚前に住んでいた家に似ていなくもない 要は 今まで住んだ家達のイメージが合体し ひとつになったような場所に 夢の中の自分は住んでいるのだ。

 仕事は測量業で 現実の自分と同様 個人営業で細々と暮らしている それほど裕福でもなさそうであるが 困窮している様子もあまりない。
実は ここ最近 隣家が庭先を工事していて 重機やトラックが 狭い自宅周辺の路地を行き来し 騒音と煩わしさを味わっているのであるが 仕事の催促の電話を置いて その依頼内容の資料を眺め終え 雨戸でも閉めようかと西向きの部屋の窓を開けて 外の様子を見ると 雨樋がひしゃげている というか破壊されている よく観察すると 雨戸の戸袋なども激しく壊れていて なぜ今まで気づかなかったのか判らないがその様子は尋常ではない。
恐らく 隣家を工事する作業者が重機をぶつけたのであろう。

 別な隣家を訪ねて聞いてみると その家の調度品も 工事車両の行き来で壊されたのであるが クレームを付けると 実費で保障してくれたのだと 教えてくださった。
少し考えて 隣家の工事現場に出向き そこにいたガードマンに事情を説明し 保障を促そうとするが 有ろう事か 言い訳を重ねて 非を認めようとしないのである。

確かに 雨どいを壊す場面を観た訳でもなく 工事屋が壊したという証拠もないのであるが 対応の不誠実さだけが妙に 露呈している。
不満の持って行き場のない自分は 近所の知り合いの友人に相談するのであるが 彼の結論は こうであった。

「そういう場合は 自分で 修理代を積算し 工事業者に提示すればよいだろう」
というのである もうすこし積極的な発言と行動を期待したのであるが そう言い残して彼は立ち去ってしまうのである。

「じゃあ そうさせてもらうよ」

と自分は 友人に言い放ったところで 夢は終わった 小雨の降る 湿度の高い朝に そんな夢を見て 妙に後味の悪い感触を反芻している。

 夢の中の自分は 現実の自分の縮図である ちょうど結婚した数年後あたりの時期の顛末として 夢に登場したと思われるが 夢の中の自分と 現実の自分との違いが妙に リアルでその部分に後味の悪さを感じるのである。

 昔測量した資料を 黙って丸写しして仕事を済ませようとしているし 必要な手続きが遅滞しても さして気に留める様子もない。
他社から損害を受けても 積極的に相手方に行動をするのではなく 人を頼って期待どおりに行かないとヘソを曲げてしまう。

 結局夢の中の自分は 人としては「物凄く小さい」 とても窮屈な価値観と共に生きているように思える。

 夢と云うものは不思議なもので 観ている最中は 現実との区別が出来ない場合が多い 

仕事を放ってあるストレスとか 人との関わりも面倒臭さのようなものが心に蔓延し 希望の無さにうんざりするが それが「夢」であるとは覚めるまで気づかない。
はっきり云って「夢で良かった」と思った こんな生き方 生活態度では それこそ「夢も希望もない」

夢の中の自分のように 自己中心的な 他力本願な見地で生きるのではなく「積極性」を強調したような生き方をしたい 外にそれを示さなくても良いが せめて心の内にはそういう考えを置いて過ごすべきだろう。
このような夢を見るとは暗示的な気もする。

(記事 大和支部 門田 哲生)

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