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【広報ニュース】令和元年台風第15号に伴う千葉県南房総市への住家被害認定調査体験記レポート

 10月10日、台風15号被害調査の支援で千葉県南房総市へ。
7時45分、横浜駅付近に集合。自分の所属班(2~3人グループ)を県職員の方から伝えられ、そのままレンタカーに乗車。現地対策本部(南房総市役所)へ。
行きの車内では同じ班になった神奈川県職員の方々と自己紹介をしながら軽く世間話。 

 本部へ着くと、目の前の学校体育館の壁一面が剥がれ、穴がポカンと空いてしまっていた。周辺家屋の屋根もブルーシートだらけで住民の方々の不安は相当なものであろうと思われる。
本部内では県の職員の方が慣れた様子で当日の調査物件資料を流し見し、30分もかけずに現地調査へ。
車内の雰囲気で班のチームワークが出来上がっていることを感じた。
実際の活動ではこのチームワークが非常に重要で、みんながいかに円滑に調査活動を行えるかによって調査件数にも影響が生じる。

 私の所属班では、聞き取りをして被害程度を判断する人、その補佐にまわる人、調査資料に被害状況を記載する人、被害状況を撮影する人と、担当を完全に分担し、最後までこの役割が変わることはなかった。(因みに私はカメラマン担当でした。)

 現場へ向かう道路は、崖崩れや倒木などにより小型車が1台ようやく通れる幅のものが多く、通行止めとなっている箇所も散見された。

 一軒目の物件へ到着すると依頼人への挨拶も早々に調査を開始。
 まずはじめに調査票の写真を撮る。これは、一日調査した物件画像を本部のパソコンに取り込む際に、どの画像がどこの物件のものであるか判別する為に撮影する。

 依頼人に被害状況の聞き取りを行うが、被災から時間が経っていると既に修理を行い元の状態に戻ってしまっている部分もある。この場合は修理前の写真を依頼主から提供してもらい、その写真を現場で撮影することとなる。

 また、修理後の状況や破損した部材(割れた瓦やガラス)の状態も念のため撮影しておく。
 調査票には判定した被害程度を、壁や天井毎の部分別に記入していくが、この被害程度の判定は画像資料集を参照して行う。イメージとしては「建物認定」や「地目認定」の写真集の様なものを想像していただくといいかもしれない。

 被害状況は課税台帳から持ってきたと思われる平面図に書き込んでいくが、建物が古いとこの図面が読み取りづらく、形も増改築で変形しておりなかなか現場の状況と合致しない。
ある物件では形が全く合わず、悩みに悩んだ末、前日調査した班が別物件の図面を間違えて入れて引き継いでしまったのではないかという結論になった。

また、被害状況を書き込む際には、当然建物の向きを考慮して書いていくが、建物の形に特徴が少ないと記載箇所を間違えてしまう事もあった。現地では玄関や風呂場など特徴的な部分から現地物件の向きとすり合わせしていくのが良いのではないかと思う。

 建物内部の調査では依頼人に被害箇所を案内してもらう。
現場慣れしている調査員だと全体を見て被害部分割合を大まかにその場で出してしまう。逐一その被害範囲を計測したりはせず、あくまで目視で判断する。

 台風による建物内部の被害は吹き付ける雨によるものが大半であるので、天井からの雨漏りがそもそもの原因となっている。この雨水が原因で壁が剥がれるなど大きな被害がない限りは、概ね全体の1割ないし2割以内に被害が収まってしまう。

 調査はマニュアルに従って行われるものであるが、現場に行くとこのマニュアル通りには全く出来ない。
 時間をかけずに1日平均10件程度は回らなくてはならないので、時間をかけられないのは当然であろうと思う。

 一日の調査が終わると本部へ帰り被害割合の算出を行う。この割合により一部損壊・半壊・全壊等の判断を行うが、台風の場合は半壊になる事は少なく、ほとんどが一部損壊であった。

 判断の為の割合計算は慣れてしまえば難しくは無いが、現地での調査が曖昧で資料がしっかりしていない場合、この計算で悩み無駄に時間がかかってしまう。
ある支援自治体の調査票では、建物図面を現地で書けなかったことや、被害割合をあやふやなままにしてしまい、判定計算が上手く行えていないモノがあった。

 この被害認定作業は、我々の日常的に行なっている建物調査と共通する部分が多く、現地調査や資料との整合性を納得するまで現地で確認することが重要であると感じた。

 全体の調査業務は17時頃に終了。そのまま班ごとに帰って解散ということになった。

<当日の持参物>
着替え、トレッキングブーツ、下げ振り、コンベックス、筆記用具、手袋、スリッパ、身分証(調査士証)、ウエストポーチ

トレッキングブーツは不要でした。建物内部への立ち入りを行うので、いちいち脱いで履いてを行うのは無駄です。スリッポンなど脱ぎ履きがやりやすい靴が良いです。

また、この持参物は、被災の原因や調査時期によって臨機応変に変えるのがいいと思います。
場合によってはトレッキングブーツが最良であることも考えられます。
現場へ行く前に、自分自身で現地状況をネットでリサーチするのもいいと思います。

(記事・写真 金子 力也)

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