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東日本大震災報告会『被災地からの発信』(2) 東日本大震災報告会レポート

平成24年12月東日本大震災報告会レポート

 仙台駅の改札を出て駅前ロータリーに向かうと宮城県土地家屋調査士会のノボリを持った方々が出迎えてくださいました。「本日報告会に参加します!」と早速挨拶。面識のない方でしたが,同じ土地家屋調査士として挨拶が出来て,仙台入り早々とても嬉しく感じました。
 仙台の地を踏むのは20年ぶりくらいでしたが,やはりさすがの大都市です。「復興」などの文字が入った震災復興関連の横断幕や広告が目につくかと思っていたのですが,ほとんどそういうものもなく駅前は昨年の震災など無かったかのようでした。

 昼食に名物牛タンをいただき,タクシーにて報告会の開催場所である仙台国際センターに向かいました。この仙台国際センターは青葉山のふもとにあるのですが,ふと会場入り口近くの道路脇を見ると「仙台城跡の石垣が崩れたため,市道仙台城跡線は一部通行止め」の看板が目に入りました。「はて,大雨でも降ったためかな」と思ったのですが,タクシーの運転手さんの話によると,震災で石垣が崩れたまま未だに復旧していないとのことでした。青葉城跡という名跡の周辺道路の復旧が途上とは。クリスマスムードで賑わう駅前を少し離れるとやはり震災の影響を感じざるを得ません。

 そして,会場入りを果たし報告会が始まりました。基本的に被災3県それぞれの会員の方が各県単位で報告をしていく進行です。会員による報告は,被災体験を主としたものでした。ときに思い高まって言葉を詰まらせる報告者の方もいらっしゃいました。やはり当事者による語りには重みがあります。各種報道などで見聞きするだけでは得られない貴重な体験でした。

 一方で「職権滅失登記の調査」や「地図修正作業」等の震災に関する調査士業務については,時間的には短めな報告となりました。震災関連業務に関して若干駆足な報告になったことについては,実行委員長の鈴木修宮城県土地家屋調査士会会長が後日ご自身のブログでも「また別に説明の機会を持ちたい」と書かれていますので,今後その機会を待ちたい・作りたいと思いました。ただ,震災に関する土地家屋調査士業務については,「筆界の移動」問題を筆頭に平成7年の阪神・淡路大震災時の対応を基本的に踏襲していると理解しています。したがって,今回の震災特有の各論的なものに興味はもちろんあったのですが,むしろ被災した会員の貴重な体験談を多く聞くことのできた本報告会の構成はとても良かったと思います。報告会と前後して行われた被災地視察ツアーとあわせて,報告会主催者の主眼もそこに,つまり現場の様子や声を直接見聞き体験し,それを調査士業務にフィードバックしてもらうことにあったのでは思っています。

 ところで,「被災3県」とまとめて表現してもその実情は様々です。被災体験や復興への思いを時には熱く時にはユーモアも交えつつ語る岩手会,宮城会の会員の方々の報告と比べると,福島会による報告のトーンは一様に沈鬱に感じました。原発事故による影響により現在進行形で被災して復興計画すら立てられない福島の現状。「震災業務の報告」として放射能対策や除染が話題としてあがってくる特異性。「原発事故による警戒区域内に係る分筆登記申請は登記官による実地調査での確認が困難なため申請を却下することとする」旨の事務連絡も資料として配布されました。今回報告会会場のロビーには,主催3県各会が倒壊建物の写真や地図修正作業の様子をパネル展示していましたが,福島会は線量計や放射線防護服をあわせて展示していたことからも福島会の複雑な思いを感じました。福島会橋本副会長は苦しい福島会の現状の報告の最後に来年放送予定の福島県会津地方を舞台したNHK大河ドラマ「八重の桜」のポスターをスクリーンに写しつつ,会津を観光して福島をこれからも応援して欲しいと語りました。現地に足を運び,実際のお話をうかがうことの大切さを今回の報告会(と翌日の被災地視察)であらためて認識しました。是非会津地方も含めて東北に足を運びたいと思います。

 今回の報告会に登壇された主催3県の方々は皆さん支援への感謝の言葉を述べられていましたが,復興作業をしつつ今回の貴重な報告会を企画開催して下さったことに対して,参加できた私のほうこそ御礼をしなくてはならないのにと思いました。本当にありがとうございます。

研修運営副委員長 尾上 雄一郎

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