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東日本大震災報告会『被災地からの発信』(4)東日本大震災報告会及び被災地の視察を経て

東日本大震災報告会及び被災地の視察を経て

 先日,東日本大震災報告会「被災地からの発信」に参加してまいりました。報告会は,大震災により大きな被害を受けた宮城県,岩手県,福島県の土地家屋調査士会の主催により行われました。

 報告会は3部構成であり,第1部では被害を受けた土地家屋調査士から貴重な被災体験をお聞きすることができました。大震災の直後から,被災の状況についてはテレビやラジオ,インターネット,新聞,雑誌等様々な形で情報に触れてきたつもりではありましたが,やはり直接でお聞きできるお話しはとてもリアリティに満ち,お話を頂いた方それぞれのご苦労が伝わりました。そして,そのような状況にあるときの心構え等についても述べられ,また如何に平時の準備が必要かを教えていただきました。第2部では,土地家屋調査士と震災業務に関して語られました。地震により形状を変えてしまった土地の境界の扱いや建物滅失の判断基準,延いては液状化や水没による土地の滅失についての考察など,日常においては考える機会もないような諸問題を突きつけられました。これは決して他人事ではなく,同じ日本に住む以上いつかは我々も直面する問題なのだと思います。第3部では,早稲田大学大学院法務研究科教授山野目彰夫氏による,震災と土地家屋調査士についてのお話でした。著名な方でしたが,自分が直接お話を聞く機会に恵まれたのは初めてのことでした。第2部での講義内容を踏まえ,法律家としての見地から,現在震災を原因として問題となるであろう事項についてのより詳細な解説,そして今後法律の整備を待たれる諸問題についてのお話をお聞きすることができました。講義内容もさることながら,その理路整然なお話しぶりには感銘を受けました。

 翌日は,「被災地視察バスツアー」に参加いたしました。津波による被害が甚大であった宮城県北部から岩手県南部を巡るというもので,筆舌に尽くしがたい悲惨な現状がございました。しかし,瓦礫に囲まれながらも復興に向かっていこうとする人々の存在は強く感じられ,人がそこに生きていることが希望そのものなのだと思わされました。

(南三陸町防災対策庁舎) (敷地一帯が水没した建物)
(陸前高田市庁舎) (陸前高田市庁舎内の現状)

 それらの風景の中でとても心に残った言葉がありました。「なつかしい未来へ」,そう書いたポスターがコンテナハウスの壁面に大きく貼られていたのです。「過ぎ去りし日々には戻れない。しかし,そこにこそ帰りたいのだ。」自分はそう理解しました。絶望の中に希望を見出そうとする中で心の底から搾り出されたようなこの言葉に,被災地の方々の痛切な願いが込められているように感じました。この願いが叶うことを応援したいものです。


(南三陸町防災対策庁舎付近)

研修運営副委員長 島村 賢

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