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【広報ニュース】神奈川県学校農業クラブ連盟平板測量競技会神奈川県大会

 全国の農業高校で組織する「日本学校農業クラブ連盟」では毎年、平板測量(注1)の技術を競う「平板測量競技会」を開催していますが、神奈川県土地家屋調査士会ではこの大会の地区予選である、神奈川大会に審査員として協力しています。
 以前は神奈川県の土木事務所職員が審査員を務めていました。しかし、平板測量経験者の減少など、諸般の事情により協力が難しくなったため、出前授業の実施校を通して当会に協力要請があったもので、審査員として参加するのは今回で2回目になります。
 今年は平成29年7月25日の火曜日、神奈川県足柄上郡開成町にある神奈川県立吉田島高等学校で開催されました。


(注1)平板測量とは
    平板、三脚、アリダード、測量針(メジャーピン)、求心器、下げ振り、方位磁石、
    測量ポール、エスロンテープを用い、平板に貼り付けた用紙(ケント紙など)に
    直接測点の位置をプロットしていく測量方法。
    現在主流のトータルステーションを使い、一旦座標化してからプロットする測量
    方法に比べて、“アナログ”ではありますが、測量の仕組みを直感的に理解する
    ことができます。
    また、機材が非常に安価なため、教育現場では今でも行われています。

~大会の概要~
開催場所 神奈川県立吉田島高等学校
      毎年持ち回りで開催場所(開催校)が変わり、来年は相原高等学校の予定です。

参加校  神奈川県立相原高等学校
      神奈川県立平塚農業高等学校
      神奈川県立吉田島高等学校
      昨年参加した神奈川県立中央農業高等学校は、今年は欠場しました)

競技内容 第1次作業から第3次作業まであり、制限時間内に各作業を行います。
      第1次作業 グラウンドに予め6点杭が打たれており、制限時間25分間で、
            測点6点の閉合トラバースを行います。
      第2次作業 6点ある各測点間の距離と決められた対角線の距離を測定し、
            「オフセット野帳」を作成します。制限時間は10分です。
      第3次作業 2班に別れ、教室内で作図と計算を行います。
            作図班は第1次作業の測量原図を元に、三斜法で底辺、
            高さをスケールアップし、面積を求めます。
            計算班は「オフセット野帳」からもヘロン法で面積を求めます。
            制限時間はどちらも7分です。

採点方法 各作業の所要時間、閉合トラバースの閉合差や三斜法とヘロン法の面積差のほか、
      作業方法、作図内容などが細かく決められており、規定どおりかどうかを減点法で
      採点します。

当会からの参加者 審査委員長  高澤 孝一会員(県央支部)
           審 査 員  加藤 照士会員(相模原支部)
                  中川 裕久会員(相模原支部)
                  花上 康一会員(県央支部)
           前審査委員長 山口 宏幸会員(県西支部・オブザーバーとして参加)

大会結果 最優秀校は「神奈川県立吉田島高等学校」でした。
     なお、最優秀校は岡山県で開催される、全国大会に出場します。

~大会に参加して~
 “平板測量”と聞いて、「今時平板かよ」と思った会員も多いのではないでしょうか。確かに現在、平板測量はほとんど使われておりません。しかし、仕組みが簡単なものほど、原理を理解しやすいのも事実です。
 筆者が通っていた測量学校には、「トポカルト」や「ケルシュプロッター」といった写真測量の図化機がありましたが、実際に授業で使ったのは、終戦直後に米軍が地図作りのために持ち込んだ「ムルチプレックス」という原始的な図化機でした。しかし、仕組みがとてもわかり易く、素直に「面白い」と感じたのを今でも覚えています。
 また、大会に参加していた生徒たちは、“スポーツ感覚”で平板測量を楽しんでいるようでした。極めてアナログで時代遅れな“平板”ですが、これをきっかけに、測量に興味を持ってもらえればよいのではないでしょうか。

~当日の様子~

審査員団(通称、麦わらの一味)。
右から山口会員、花上会員、高澤会員、加藤会員、筆者。
ユニフォームの統一は高澤会員のアイデア。
ポロシャツと帽子のチョイスは花上会員。

前打合せを行う麦わらたち。
先頭を歩くのは吉田島高等学校の山口先生。
ちなみに山口会員の弟さんです。

第1次作業で、審査員の後について踏査を行う生徒たち。
競技に使用できるのは30mのエスロンテープですが、必ずどこか1辺、30m以上に設定されています(中継点を設け、2回に分けて測距する必要があります)。
踏査の時点で“歩測”を行い、その1辺の目星をつけるのがテクニックです。

競技中の様子。
平板を移動する時は走ってはいけない、エスロンテープを引きずってはいけない、平板の上に道具を載せて移動してはいけないなど、細かいルールがあります。

農業高校だけあって、地下足袋で参加する学校も。
将来、造園業などに就職しても、庭造りなどで平板測量のノウハウは役に立つでしょう。

閉合差の確認を行う加藤会員。
事務所に眠っていたアリダードを発掘し、「予行演習をしてきた」そうです。

休憩時間にカメラを向けると、ご覧のとおり。
このノリの良さ、さすが高校生。

校舎とグラウンドを仕切るように校内に水路が流れています。
開成町の金属標が設置されており、境界確定が行なわれているようでした。

校内に水準点がありました。
案内板には「校内水準点、標高48.635m、北緯35°20′11″、東経139°07′34″」との表記が。
生徒たちが測量したのでしょうか。

(記事・制度対策特別委員長 中川 裕久)
(写真・制度対策特別委員  山口 宏幸)

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