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【政治連盟レポート】横浜市会議員と狭隘道路整備条例勉強会を開催しました

 自民党横浜市連ヒアリング(6月14日開催)の結果、横浜市が抱える狭隘道路問題に関して勉強会の必要性を理解していただき、7月10日横浜市庁舎議会棟にて神奈川県土地家屋調査士政治連盟と横浜市会議員で狭隘道路整備条例勉強会を開催しました。

ヒアリングでの要望事項(狭隘道路に関するもののみ抜粋し要約)

狭隘道路に係るセットバック部分の分筆登記について

1要望の要旨
 ・道路内民有地問題の懸念のあるセットバック問題の放置の是正を求めます。
 ・災害対策防災対策としての道路後退制度のさらなる充実を要望します。

2要望内容
 現在横浜市の狭隘制度では、建築基準法により後退しなければならない部分について、狭隘道路整備条例の改正により、測量費用、囲障等(コンクリートブロック、門塀等)の除去費用、アスファルト舗装費用などを市が負担することとなっています。

 狭隘道路事業については、地方自治体に建築基準法による他根拠となる法律が存在しないため、取り扱いが自治体によってまちまちで運用されているのが実情です。県内には藤沢市、茅ケ崎市、小田原市などのように、セットバック部分を市が積極的に買取り、分筆・所有権移転し、市道としてきちんと権原を取り、管理している自治体があるのに対し、横浜市の場合、セットバック部分は民有地のままで、分筆をしないことにより、場所によっては道路としてあいまいな状態で利用されている箇所が随所に見られます。

 昨今の空家問題などで顕在化している所有者不明化問題などの社会情勢の変化により、第三者との複雑な権利関係を調整しなければならない事態も想定され、今後は、境界確定なくして道路の整備は難しい時代になって来ると思料します。災害対策上も道路部分の境界確定を実施し、世界測地系による図面を市が備え付けることなくして、道路の復旧は困難であり、ひいては被災市民が元の住まいに戻ることの妨げにも繋がります。現在の境界にこだわらない現況主義による道路後退では、災害対策としては脆弱な制度であると考えます。

 
 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の復旧では、復員6mの開発道路が活断層により段ずれが起き、段ずれ部分で暫定数値5mの有効復員を確保し、地権者(所有権登記名義人)に復旧工事施工承諾を取ることが、復旧道路を施工する条件として示されました。復旧道路の開通ががれき撤去のスピードに影響を与えることは言うまでもありません。こういった時に機能不全に陥る可能性のある問題を内在したまま、道路内民有地問題等を放置している建築局の狭隘事業セットバック部分の扱いについては疑義を覚えますので、早急な対策を提案します。

           

 ヒアリングで要望を行った後、より具体的な方法を提案するため、神奈川県土地家屋調査士政治連盟(以下、政連)と横浜市会議員(以下、市議)で狭隘道路整備条例勉強会を開催しました。

勉強会での市議からの要望と政連の提案(要約)

市議からの要望

 狭隘道路の拡幅整備の重要性については理解している。ただ、横浜市全域の狭隘道路の総延長を考えると、膨大な費用がかかる。費用を圧縮する方法を提案して欲しい。

政連からの提案

①土地寄付による税制優遇の拡充
 国や地方公共団体に対して土地を贈与(寄付)した場合は、贈与した土地の取得費に相当する金額を寄付金控除することが出来る(取得費が分からない場合は、その土地の価額の5%を取得費とする)。この場合、贈与するために支出した金額を含むことができるので、測量費も寄付金控除の対象となる。そこで今回、土地所有者が測量・分筆登記を行い、横浜市に後退用地を寄付したのちの税制優遇措置手続きを漏れがないよう、横浜市がサポートする体制を整えること、及びそのための周知をはかることにより、土地所有者への積極的な寄付を促し、結果、行政の費用負担を減らすことができるのではないか。

②整備すべき狭隘道路の優先順位を再検討する
 現在、横浜市では狭隘道路の「重点整備地区」を決め、その地区内の狭隘道路を重点的に整備しているが、限られた予算を有効に活用するためにも、再検討してはどうか。
 ・道路境界が確定されている道路
 ・車両の通り抜けが可能な道路(階段や鋭角な曲がりが無い道路)
 ・現況が既にセットバックしている箇所が多い道路(支障物の少ない道路)
 ・拡幅することによって、消火活動など対する効果がより大きい道路
 などを優先したらどうか。

③道路整備は簡易アスファルト舗装に簡略化する(工事費の圧縮)
 1本の路線において、ある程度セットバックが完了するまでは簡易舗装とし、一定区間セットバックが完了した時点でまとめて道路区域の変更手続と整備工事を行えば、工事費用の圧縮につながるのではないか。

④不動産登記法第14条地図の成果を活用する(測量費の圧縮)
 地図が作成された地域では、改めて土地の境界を確定するための測量を行なう必要はない(セットバックする位置を現地に明示するなどの測量作業は必要)。地図が作成された地域の狭あい道路を重点的に拡幅するというのはどうか。

⑤市民への広報(測量費の圧縮)
 「セットバック部分は横浜市へ寄附」という意識が市民や不動産業者に浸透すれば、土地の売買の時に「セットバック部分は予め所有者の負担で分筆登記を行う」というケースも増えるのではないか。

            

 
 今回の勉強会を開催するにあたり、自民党横浜市連から他市における狭隘事業の実態調査の要望があり、まずは政連役員で緊急調査を行いました。調査対象は全国の政令指定都市及び神奈川県内の各市町村とし、「分筆登記の有無」や「測量費用の負担」など全12項目を、電話での聞き取りやホームページでの調査、また担当部署を訪問するなどし、迅速に実施しました。この調査リストは狭隘道路整備条例の運用強化のための参考資料としてもらうため、市議に提供しています。

 
 市議からは引き続き勉強会を開催していきたいとの要望があり、それを受け政連としても横浜市が抱える狭隘問題に対し調査・研究を行っていく予定です。

(記事 神奈川県土地家屋調査士政治連盟 副会長 花上 康一)

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